ingakouryuu’s blog

心象スケッチ

バイバ~イ

平日、15時頃に列車に乗る 3駅過ぎたところで かっこいいランドセルを背負った 大勢の小学生が乗り込んでくる 閑散としていた車内が一気に賑やかになった マスクをしていてもおしゃべりは止まらない 「○○ちゃ~ん、バイバ~イ!」と 降りていくクラスメイト…

新人教育

新人教育に向いている人を選び、イベントの段取りを新人に教えていく。指導者を選ぶポイントは、理解が遅い人だ。 頭の回転が速くて物事を瞬時に理解できる人だと「私がこれで理解できて、やれてるんだからできるはず」というハードルが高かったりするからだ…

無料サービス

母の日にカーネーションと一緒に 可愛いお菓子もプレゼントしようと とある洋菓子屋さんに行く 店内には年配の女性がいた 彼女は小袋のクッキーを いくつかレジカウンターに持って行くと 店員に「紙袋を二重にしてください」 「紙袋の底にプチプチを敷いてく…

わたしのせい

狭い通路で前から話しながら歩いてくる二人がいる。私とすれ違う方の人が大声でしきりに話しているから、おそらく私に気づいてはいてもぶつかってくるような気がしたので、早めに衝突を回避するために体を横にして立ち止まって壁際に待機した。しかし、結局…

油断禁物

高齢の両親と暮らしている同僚から、ゴールデンウィークに泊まりに来た妹が帰宅後高熱を出して、検査した結果コロナだったと、明日保健所に連絡するという報告が深夜にくる。同僚はとりあえず二週間の自宅待機。私は翌日早めに出勤すると同僚の会社での行動…

命を失うこと

時間が限られているので、新作アニメはとりあえず一通り1話だけを見ると、続けて見たいものだけを見ている。その中で、何年経っても頭から離れないストーリー、セリフ、ワンシーンがある。 数年前、ファンタジーもので途中から物語が面白くなって、見続けて…

転がった黄身

ビル勤務者向けの共同社員食堂が緊急事態宣言中は全品半額になっている。普段でも格安なのにすごい。そのかわりに黙食をというわけだ。私は基本、昼食は持参の弁当だが、味噌汁、ミニうどん、(今はやっていない)サラダやフルーツバイキングは利用していた。 …

自然を考える

揺らめく炎 白波 水面の光と影 流れる雲 この現象が自然であり この世界を現わす真実であり真理 それは流動的で無限に産出される この現象に触れることができたなら 私たちは考えずにはいられない 世界について 煙が空に溶けていくような あたり前のように身…

やりたいこと

やりたいことを充実させるには やらないといけないことをすること やらないといけないことができていないことに焦ってきたら やらないといけないことを考え過ぎて やらないといけないことが やりたくないことに変わってしまう やらないといけないことが やり…

顔見知り?

どれくらい昔から知っているのか、数年前から意識するようになったと言っていいのか。帰宅ラッシュの駅、残業がない日は高確率で遭遇するおばあさんがいる。相変わらず毎回威勢がいい。品のある服装で一見すると裕福でおしゃれな人に見える。不思議なことに…

新しい洗濯機

初めての一人暮らしでは一番安い黒い洗濯機にした。次に引っ越しした先は、苦学生向けの格安物件で、自由に使える洗濯機が中庭に三台も設置されていた。黒い洗濯機は、兄が彼女(のちにお嫁さんになる人)と一緒に暮らすというので、ちょうどいいタイミングだ…

対面の安心

医療費控除の申告をするために税務署に行く。平成25年までは毎年控除を受けるために税務署に行っていた。8年前の記憶のまま、まとめて保管していた5年以内の領収書を申告する。感染症対策もあるが、手続きの仕方が大きく変わっていた。 必要書類をまとめて持…

ブランチ

本店が大行列で入れなくて、いつか行ってみたいと思っていたEggs'n Thingsでとうとう食事をした。 シーザーサラダ、エッグベネディクト、期間限定イチゴのミルフィーユパンケーキをコナコーヒーでいただく。イチゴソース以外にグァバシロップとココナッツシ…

置いて見てみると

頻繁に母に会うことはなかった。 実家を出て二十年以上、 亡くなった知らせを聞いても涙は出なかった。 涙が出たのは、 葬儀で母を見送ってくれた人たちに対してだった。 死など実際に会えなくなっただけだと思っていた。 しかし、それだけでは片づけられな…

間に合わなかった似顔絵選手権

私がすぐに描きこんで使い切ってしまうからか、落書き帳は、なかなか買ってもらえなかった。しかたなく聖教新聞の折り込みチラシを毎日チェックする。片面刷りのチラシの裏は落書きにはもってこいだった。 絵には鉛筆ではなく筆を使っていた。今でも筆先のぐ…

新年度、社長が代わり、新体制に。

コロナで基本大綱、方針発表、理念勉強会が次々と中止になったため、社内報の写真で社長が変わったことを実感する。前社長が築いた複数の会社を合併して、これまで手を付けなかった分野にも挑戦していく。無駄を無くして利益を上げていくスタイルは前社長の…

サクラ サクラ

夜、向かいの団地に住んでいるおばちゃんが母を誘いに来る。母が連日出かけたのは、一週間くらいだろうか。どこにでもついて行きたがる私は、おばちゃんを味方につけて、ついて行ったことがある。 スーパーの2階にある広いイベントスペースに着くと、既にた…

真似したくなるもの

子どもが興味をひくもの ベテランの先生からは、普段見られない姿を期待している 例えば先生同士が気を遣って話している姿 参観日でいつもと違うテンションになっている時 自然体に近い、先生像がまだ作りこまれていない 研修生とかは好奇の眼差しで見ていた…

首が伸びた

お義母さんがスマホで契約した覚えのない機能が付いていて、毎月自動的にお金が引き落とされていたという話をしていたら、突然「ちゃんと話を聞いていたのか」とお義父さんが話の中に入ってきた。その時、一瞬首が伸びた…ように見えた。お義父さんも全然使わ…

癖が強い人

「初めてで不慣れなところもありますが頑張ります。よろしくお願いします」と言うと「あのなー、ここは不慣れなやつなんか必要ないから!」と、手を振って出て行けの身振り。私の最初の挨拶は歓迎されることはなかった。この冷たい態度の人は、根はいい人ら…

主人公にはなりたくない?

「あなたは物語のどんな役になりたいですか」という質問に対して、「目立たなければなんでもいいです」と言いたい。お姫様みたいなきらびやかな衣装で注目されたいとか、困っている人を助けるかっこいいヒーローになりたいと思っていた時期は子どもの頃だけ…

贈る言葉

寄せカゴは黄色いバラやオレンジのガーベラを中心にした。退職する大学生には手紙を書いて渡した。手紙には書きたくないこと、一度しか口にしない言葉は最後に贈った。嫌われること覚悟で。「産道をつくれ」と。 20代で産道をつくっておくと期間が空いてもも…

思いの波

言葉の波紋が広がる 思いは波のようだ 母がどんな思いで生きていたのか 私はまだ何もわかっていない 母と同じような人生を歩んでいたら 少しはわかったのだろうか 「お前らを連れて何度死のうとしたか」 と言っていた母の言葉を思い出す わかっているのは 母…

これまでなかった光景

一年ぶりくらいに大きな百均ショップに行く。やけに静かだった。音楽も流れていない。店内放送は度々あって、内容は「店員に話しかけないでください」「店内での会話をひかえてください」「滞在時間を短くしてください」というものだった。店員は黙々と品出…

放心

目を見開いている カレンダー 額縁 ぬいぐるみ ハンガー 見えているけど 見ていない まるで空を見ているようだ たまにはそれもいい 目を見開いて 何も見ていない

贅沢な休日

仕事の朝はホットミルクティーとオレンジジュースをゆっくり飲みながら、撮りためていたアニメや中国ドラマを観る。飲み物のお供にはパンがいい。休日の朝はホットオレにする。今日はホットオレの日、しかしパンが無いことに気づく。 まあまあ、そんなことも…

道徳は他人から

他部署での新人いびりの話を聞く。そこでは先輩社員のきつい一言で傷ついて、せっかく入ってくれた人がすぐに辞めてしまうということを繰り返しているという。管理本部では、人の流出を防ぐために退職する本当の理由をもっと親身になって聞き出すと数年前に…

羞恥心

母は子どもが小学校にあがる少し前に生活保護を受け始めた。それまではどこかの工場で働いていたが、月末になると生活費が足りなくなり、私を連れて知り合いの家にお金の無心に行く。体に合わない貰い物の服を着せられていたが、夜に母と散歩できるのが嬉し…

ハッピーイベント

義理チョコ禁止という社内連絡を受ける。職場の人に義理チョコなんてあげたいと思ったことはない。しかし私が知らないだけで、かなり多くの女性社員は重役の人たちに毎回義理チョコを渡していたようだ。なんのためにそんなことをしているのかわからない。た…

切り花

どんな状態であれ ただ生きている それがどれほどの 励みになっているか ただ生きているものから 勇気をもらっている ただ生きているものは 将来の心配もしない 今、この瞬間に 存在のすべてをかけている だから美しいのだ 誕生日に届いた花束