ingakouryuu’s blog

心象スケッチ

2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

今年の贈り物

毎年7月の誕生日と12月のクリスマスには兄に靴や服を贈る。 買い物の予算は10万円までで、今年も何がいいか悩む。 なぜか中学くらいから兄に頼まれて私が服を買っていた。 今年も店員さんと会話を楽しみながら買い物がしたい。 「こちらなんか保温効果のある…

我が家のお出かけ

家族で出かけた思い出は泊りがけは一度もないが、遠出の日帰りは二回あった。一つは須磨に泳ぎに行ったこと、もう一つは団地の母の日の催しで「カーネーション旅行」という名の日帰りバス旅行で、まだ母が団地の人と普通に会話ができていたから、私が小学校…

あなたのお父さん

十年程前、役所からあなたのお父さんが危篤状態だから連絡をくださいという内容の手紙が来た。私は父の顔を知らないし話したこともない。何も思い出がない。あれがそうだろうなという記憶はある。 夜、ドアを叩いて出て来いと騒ぐ酔っ払いの男の人がときおり…

巻き爪リフト④

私は巻き爪だけでなく若干外反母趾で親指が中指に寄りかかっている。そのためリフトを付けた真っ直ぐの爪が伸びてくると中指の側面に爪の角またはワイヤーの先が当たり中指が傷つくことになる。中指を絆創膏で保護するが、角が鋭いと絆創膏はすぐに破れてし…

教えること

仕事を教えることは仕事を覚えるよりも難しい。長く働いている人でも仕事を教えるところまではいかない。役割を決めて動くことはできる。自分さえうまく動いていたら良いという人は多い。仕事を教えるにはどうやら何か違う能力が必要のようだ。 仕事は業務を…

冬は丸くなる

母が押し入れから布団を出して敷く。 二枚の敷布団を横向きに使い、その上に母を真ん中に川の字になって寝る。 夏は朝起きると敷布団と敷布団の間に隙間ができてお尻がはまっていることがある。 冬は敷布団の上に毛布を被せる。 毛布の端はめくれないように…

反骨精神

今週のお題「〇〇の成長」昨日の会議で懐妊して一人長期で休むか辞めることになったので年明けに求人の強化を部長にお願いしたら「求人を強化してもなかなか応募がないんだよね~」といわれ「雇用条件を上げると応募がありますよ」というと、部長の顔色が変…

いつまでたっても

昨日テレビで「ひきこもり」が取り上げられていた。学校や仕事に行かないで家にいる人を「ひきこもり」というなら、兄が高校の先生を殴って退学になった後、あちこちで少し働いたが人間関係が上手くいかなくて何年か家にいた時期があったことを思い出して、…

部活の後輩

昨日、東京に住む高校時代の友人から久しぶりに手紙が来た。手紙の内容は改名したという報告だった。前の読みやすい名前とは正反対の難しい漢字で、おそらく誰が見てもすぐには読めない名前だ。急に改名なんてどうしたんだろうと考えながらちょうど喪中はが…

一人決まる

メインで依頼していた派遣会社では人が捕まらず、念のためにと依頼していたほうの派遣会社でなんとか12月をカバーしてくれる人員が見つかり一安心。欲を言えばもう一人欲しいが、今の時点で見つかっていないなら厳しい。昨年同様、就職が決まった四回生の男…

命の循環

母が夜間中学で晩学を楽しんでいる時、 私は解放感だけでなく達成感を持って実家を出た。 新人がある程度成長すると、 会社の悪習慣に気づいて改善したいと思うように、 兄と私は母を育て、また自分たちも成長した。 私の人生のきっかけとなった母、 同じ根…

贈り物に悩む

8時20分、予約時間の10分前に健康診断の受付窓口に行く。検査や測定が始まったのは9時からで30分間、待合室の壁に飾ってある写実的な葡萄の絵をぼんやりと眺めていた。絵はモチーフからのメッセージを読み取るかのように、ただそこにある何かとして埃すら見…

静かな所

今日、母が暮らす家に遊びに行く夢を見た。 二階の部屋に用意してくれた料理を食べる。 料理が盛られている皿と盛られていない皿があったが気にしない。 久しぶりの母の料理はおいしかった。 食事が終わると部屋の窓から外を見る。 母が40年住んでいた集合団…

兄の思い

母は兄にはお小遣いをあげていたようで、大量のガンプラ、エアガン、漫画が我が家にはあった。しかしテレビ、電話、エアコン、給湯器は我が家にはなかった。 欲しいものがほぼない私とは違い、低学年から高学年になるにつれて兄は他の家にあって我が家にない…

幼げのいたり

母は夜ご飯以外、用意することはあまりなかったので、兄と私はいつも適当にご飯を食べていた。ある日、冷蔵庫に何もなくて、ふりかけもない時、兄は「おかんを起こして出前を取らせよう」といい、いつものようにパンイチに近い服装でごろ寝している母の足の…

記憶はどこにあるのか

新しい記憶が海馬に古い記憶は大脳皮質にというのではなく、 また脳の中の神経細胞の特徴が知りたいわけでもない。 なぜ記憶することになっているのかということだ。 メロディーも文章も電気信号だ。 肉体を持つ間は電気を感じる側にあるが、肉体がなくなれ…

入院事③

兄に頼まれた新刊、兄がこれを読むために意識を取り戻したような気がして今でも巻数と表紙が脳裏に焼き付いている。驚くことに兄は飛び降りたことも集中治療室で新刊を頼んだことも記憶にない。私が新刊を持って行くと「よく知っていたな」と驚いていた。過…

入院事②

救急車が猛スピードで右折左折を繰り返し、ようやく医大病院に到着する。私は救急車に酔い、暴れる兄の足で何度もお腹を蹴られたこともあり、吐き気が酷く、駐車場で座り込むと母に先に行くように言う。この時、自分が靴下だけで初めて靴を履いてなかったこ…

入院事①

中一の冬、吹雪の中、私は自転車の後ろに母を乗せて病院に行く。胸の痛みと息苦しさでしんどいはずなのに、私に雪が当たらないように後ろから母は傘をさしかけてくれる。私が傘はいらないと言っても母は傘をたたまない。 診察を待つ間に母は動けなくなってし…

長電話

昨日は夜九時頃にと約束していた通り、友人から電話が来て十二時までしゃべり続ける。いつも一時間で切り上げようと思うも気づいたら三時間くらいは経っている。電話を切ると楽しい気分が強くて会話の内容をほとんど忘れてしまう。 電話の友人は同じ会社で働…

きょとん

今週のお題「好きな漫画」 『学園アリス』はNHKのアニメを見て、いつか原作を読んでみたいと思っていた。ちょうど姪っ子が『学園アリス』の主人公と同い年になった時、中古で全巻買うと一気に読む。やっぱり面白い、これなら姪っ子も喜んでくれるかも、と思…