ingakouryuu’s blog

心象スケッチ

探究

好きは愛を、愛は好きを

「好き」は欲求からくると思われる。例えば、めずらしい花を見つけて、あらゆる角度から観察して、どんな香りがするのか、葉っぱはどんな手触りなのか、確かめたくなるようなものだ。この確かめて記憶する行為をデッサンとしよう。その花の魅力をこれ以上描…

男でも女でもない

言葉の使い方、声の出し方、会話のテンポは家族の影響が大きい。社会に出て気づく、特に人に何かを教える立場になると気になる。農家の生まれで学校に行かなかった母の言葉遣いは方言がきつかった。私の言葉遣いは考えたくないが兄にそっくりで早口。兄が乗…

ポケットティッシュカバー

昔、働いていたお店にちょくちょく買い物にくる年配の女性がいた。買い物ついでに世間話をしていく気さくな人で、仕事の領分を気にしないで冗談を言う私との会話を楽しんでくれた。 ある日、彼女はラブレターを渡すように恥ずかしそうにティッシュカバーを何…

ちんぷんかんぷん

物を作ったり修理をしているブログを読む。一つ一つ丁寧に説明しているが私にはわからないことが多い。ただ、熱量だけは伝わってくる。熱量の源は好奇心だろうか。 好奇心は欲求ではない。無から有を生み出すエネルギーで、うまくいくのか、どんな仕上がりに…

メトロノームとリズム

等間隔に並んで運ばれてくる基板に電子部品を差し込んでいく 差し込みもれはすぐにアナウンスされる 「○○番、ICありません」 集中力のためか10分経つとブザーが鳴って1分の休憩 60分経つとラジオ体操が流れて5分間、体を動かす 部品にどんな働きがあるのかわ…

空想にふける

表皮は既に死んでいる細胞で覆われている 花びらが散っていくように死んだ細胞ははがれ落ちていく 生命の源を探そうと木の根を調べても何も出てこない 人間の体を調べても構造は分かっても源は分からない ひょっとして個々にある何かではなく 個々にあるもの…

情報量

米穀店から年末にもらうカレンダーは大きな1枚もので8割は絵で埋まっている。絵は毎年いろんなテーマで楽しい世界が描かれていた。乗り物がテーマなら擬人化された多くの動物たちがベビーカーからスペースシャトルまであらゆる乗り物を楽しんでいる様子が緻…

外との関係

水俣病で苦しんだ人たちが 「私たちはもうチッソを許します」と言うまでに至った心境から やれること、やれてたこと、 やれてたはずだったことができなくなること 私たちは外と密接に関わっている。 いや外そのものを形作っていると言ってもいい。 私たちは…

命の循環

母が夜間中学で晩学を楽しんでいる時、 私は解放感だけでなく達成感を持って実家を出た。 新人がある程度成長すると、 会社の悪習慣に気づいて改善したいと思うように、 兄と私は母を育て、また自分たちも成長した。 私の人生のきっかけとなった母、 同じ根…

記憶はどこにあるのか

新しい記憶が海馬に古い記憶は大脳皮質にというのではなく、 また脳の中の神経細胞の特徴が知りたいわけでもない。 なぜ記憶することになっているのかということだ。 メロディーも文章も電気信号だ。 肉体を持つ間は電気を感じる側にあるが、肉体がなくなれ…

冗談が好き

冗談を生み出すには瞬発力が必要だ。冗談は即興のセンスと思いやりの気持ちが必要で練習して出せるものではない。母も兄もよく笑う。笑わせていたのは私だ。笑いという息抜きがあったから家族がバラバラにならずにまとまっていたのだろう。 私は何が面白いの…

生み出す力

生み出されてすぐは周囲の分析に忙しくて何かを生み出す余裕がなかったが、周囲を分析して落ち着ける場所を見つけると何かを生み出したくなる。ここでいう生むというのは創造することだ。それは五感を使って様々な方法で創造される。生み出すというのは創造…

脳トレ

何気に時間つぶしにゲームをするとどっぷりはまることがある。ネットのパズルゲームに夢中になったことがある。都道府県別で上位に入ると次は全国の週間ランキングで上位を狙いたくなる。途中で時間の無駄に気づいてやめるが、後には興奮した快感だけが残る…

秋風

まだ刈り取られていない稲が風に揺れる音がする。 からっとした涼しい風が気持ちいい。 心を満たしてくれるものは暖かさや涼しい風といった 五感の中の「触」なのかもしれない。 人間のために自然があるわけではないのに、 心を満たしてくれている。 その大…

カンブリア紀

水族館で進化の大爆発、カンブリア紀を再現している水槽があった。 人間の成長でいえば鏡に映る姿が自分だと理解したあたりだろうか。 ヘレン・ケラーでいえば「水」を理解したあたりだろうか。 存在を認識する。つまり世界を認識する。 生命体とは呼吸をす…

真理の探究

今週のお題「わたしの自由研究」物事の真理を考えるのが好きだ。どんな真理かというと、例えば「私たちはなぜもう一度同じものを食べたくなるのか」と問いを立てる。私が出す答えは、家族や友人と一緒に食べたものをもう一度食べたくなるのは、それがおいし…

子どもの存在の有難さ

子どもとは財産を守る存在でも愛し合ってできた結晶でもない。居心地の良い空間を実現させるための勇気をくれる存在である。この歳になって子どもの存在がどれほど貴重であるかを考えられるようになった。ここでいう子どもとは私の後に入社した後輩みたいな…

小学校の時、日記にあこがれて何度か挑戦するが結局三日坊主で終わっていた。友人との交換日記も何度かしたことはあるが、お互いに書くことがすぐなくなり、しかしお互いやめたいとは切り出さないため最後は友人が毎回同じ絵を描いてくるようになると自然に…

集中

誰かのリズムに合わせて雑踏の中でぼんやり歩いていると、自分の意識が薄くなり、自分が歩いているのを忘れかける。知らない誰かになったような瞬間すらある。危ない危ないと気を引き締めて歩く。右、左、右、左と交互に足を出す。視界のブレが大きいからも…

会話

ここはどこだろう「♪」なんか出た。 もう一度「♬」なんだろう、これ。 あれ、何かが近くにいるぞ、温かくて気持ちいいな。 「おはよう」 何か来た。同じの出せるかな。 「おはよ」どうかな? 面白いぞ、もっといろいろ真似てみようかな。 いろいろ出せるよう…

ドストエフスキー

学生時代、ドストエフスキーが好きで読んでいた。ドストエフスキーの懸命に生きるものへの狂気に対する問いかけがいつまでも心に引っかかっている。 43歳の時、桜が散るのを見ていてようやくその疑問に一つの答えを見つける。それは、海沿いに植わっている一…

アキレスと亀

ゼノンのパラドックス「アキレスと亀」の話を聞いて吹き出したことがある。アキレスが亀に追いつけないと述べるに至ったゼノンの気持ちを考えたからだ。まるで引っ込み思案の人がある行動を起こせない理由を悶々と考えて言い訳をしているように聞こえる。理…

幼い頃の疑問

幼い頃、自分の体を不思議に思っていた。 皮膚から漂う匂いを嗅ぎ、 心臓や呼吸に意識を集中しては、 自らの意思ではどうにもならない力に不安を抱き、 母に死とは何かを泣きながら質問することが度々あった。 その時、母が安心するような答えを教えてくれな…