ingakouryuu’s blog

心象スケッチ

いつまでたっても

昨日テレビで「ひきこもり」が取り上げられていた。学校や仕事に行かないで家にいる人を「ひきこもり」というなら、兄が高校の先生を殴って退学になった後、あちこちで少し働いたが人間関係が上手くいかなくて何年か家にいた時期があったことを思い出して、あれも「ひきこもり」だったのかなと考えた。

 

兄がずっと家にいても私は何も心配をしていなかった。それどころか私が毎日仕事で失敗した話を兄に聞いてもらい逆に心配されていた。兄の友人が突然夜中に遊びに来て、しつこく玄関を叩く音で私の目が覚めてしまったことに激怒した兄は、金属バットを持って友人を追いかけて外に出て行く。よけいにやかましかった。

 

この頃、兄の好きだった俳優の松田優作が亡くなり、根性ではどうにもならない現実に対して、兄は「俺が死ぬときは周囲にいるやつらを全員殺す」というので、「私も傍にいたら殺されるの?」と聞くと「お前も道連れにする」と言っていた。

 

私がへこたれずに働き続けていたのが兄に何か影響を与えていたのかもしれない。今では子どものいない私が非難されないように全力でかばってくれている兄。兄はいつまでたっても兄なんだなと。