バイク事故

中学を卒業してから間もなく、クラスのやんちゃグループの一人がバイク事故で亡くなったと連絡があった。妙見坂のコーナーを曲がり切れずにガードレールに衝突したそうだ。仲が良かったわけではないが、反抗的で目立っていたからか寂しさが湧く。

またバイク好きの私の兄も事故を起こさないか心配になった。兄は16歳になるとすぐにバイクの免許を取り、高校を早々に中退してからは日がな一日譲ってもらったバイクを改造することに明け暮れる。私も流されるまますぐに免許を取って兄が改造したヤマハのボディにホンダのエンジンが入っているスクーターでバイト通勤していた。さすがに計器類までは改造できなかったようで、デジタル画面のスピードメーターは常に０キロで表示されている。危ない。

亡くなったクラスメイトは『ビーバップハイスクール』や『今日から俺は!!』に出てきそうな悪キャラをしていたが、陰湿ないじめをするような子ではない。私のように破り捨てられた生徒手帳を拾っては、先生にわざわざ届けるようなクソ真面目とは違って、彼は早くから自分の世界を構築しようとしていた。

友人と一緒にお通夜に行くと、クラスメイトのほぼ全員が来ている。小学校時代のクラスメイトの事故死とは違い、もう死ぬことを少しは考えられる年齢だ。私は喪服を持っていなかったので黒いカーディガンを着て行くだけだったが、クラスのおしゃれ女子達の喪服、特にベールの付いた帽子が印象に残る。

こんなに多くの人たちが集まり、亡くなった彼もびっくりしたことだろう。