ingakouryuu’s blog

心象スケッチ

ドンジャラ

我が家の娯楽は兄が友人からいらなくなった白黒テレビをもらったことから始まる。もらったその日に『うる星やつら』の第一話がちょうど放映され、それを見たことにより兄のカラーテレビへの憧れが強くなり、また母もテレビの面白さに気づき、ほどなくしてカラーテレビに切り替えることになった。ちなみに電話が来たのは中学生になってからだった。それまで緊急時は近所の同級生が家まで連絡しに来てくれていた。

 

兄にファミコン一式を貸してくれる友人がいて夏休みは夜遅くまでゲームをした。「エキサイトバイク」「ゴルフ」「テニス」「エレベーターアクション」「グラディウス」「キャプテン翼」「パックマン」「ロードランナー」「アイスクライマー」「ハイパーオリンピック」といろいろあり、隣の団地に住む私の友人が家に泊まりに来て一緒に遊ぶこともあった。しかし一緒に寝ていない。明け方までゲームをして、そのまま友人はふらふらと家に帰って行く。数回それがあってから、おそらく友人の家族が私と付き合うのを心配したのか、泊まりに来ることはなくなった。

 

彼女は我が家に遊びに来てくれる珍しい子で太陽のような明るい笑顔だけでなく、愛嬌があってクラスの人気者だった。今思えばあんな可愛らしい子がなぜ私と遊んでいたのか。私がひょうきん者だったからか。よくわからない。

 

ファミコンもしたが、友人が来た時はメンツが揃うということで「ドンジャラ」を外が白みかけるまでした。豆電球の薄暗い中でやるため、何度も寝そうになっては紅茶を飲んでしぶとくやり続ける。母も勝負事には躍起になる性格だった。

 

テレビをつけると早朝アニメ『小さなバイキング ビッケ』がやっていた。徹夜明けのせいか太陽の光が強いのか、すべてが黄金色に眩しくて目がくらくらする中、友人が家に帰るのを見送ると倒れるように寝た。