ingakouryuu’s blog

心象スケッチ

幼げのいたり

母は夜ご飯以外、用意することはあまりなかったので、兄と私はいつも適当にご飯を食べていた。ある日、冷蔵庫に何もなくて、ふりかけもない時、兄は「おかんを起こして出前を取らせよう」といい、いつものようにパンイチに近い服装でごろ寝している母の足の裏をなんとライターの火で炙り出すではないか。兄のいたずら好きな目は『あばれはっちゃく』のように輝いている。私はハラハラしながらやめるように言うが、兄は「足の裏の皮は分厚いから大丈夫」とにやつきながら炙り続ける。煙となんともいえない焦げ臭い匂いが漂ってくる。私は母を揺り動かして早く起こそうと必死になった。

 

同じようなことをして母親を起こそうとした人が周囲にいないためなかなかできない話だ。