ingakouryuu’s blog

心象スケッチ

主人公にはなりたくない?

 

「あなたは物語のどんな役になりたいですか」という質問に対して、「目立たなければなんでもいいです」と言いたい。お姫様みたいなきらびやかな衣装で注目されたいとか、困っている人を助けるかっこいいヒーローになりたいと思っていた時期は子どもの頃だけで、徐々に主人公への憧れは薄れていった。今では主人公の友人の知り合いくらいが理想だ。波乱万丈は望まない。最後にハッピーエンドが待っているとしてもだ。

 

テレビの物語は飽きさせないように面白く作られる。しかし現実は、同じことの繰り返しのようにも思える微々たる感覚の蓄積に判断が委ねられている。例えば生ゲーム配信をするYouTubeだ。同じステージを何時間もかけてようやくクリアできるその様が、作られていないリアルな物語である。ファンは寝る間も惜しんで時間を溶かして何を観ているのだろう。配信者の根気、達成の瞬間を見逃すまいとしているのか。私がファンなら配信者の健康を害することばかり気にして観ていられない。私に足りないものがあるとすれば、寄り添う気持ちなのかもしれない。

 

たまたまある生ライブ配信をラジオ感覚で聴いていた。すると配信者が「○○さん、やめて!」と急に言い出したので、なんだろうと画面を見ると他の配信者を批判するようなコメントをしているリスナーがいた。急に名前を出されたリスナーはびっくりしただろうとチャット欄を見ていると「すみません、さっきのコメント消しました」と素直に謝り、また配信を楽しむコメントに戻っている。それから私はこのリスナーさんが気になってしまい、毎回このリスナーさんがいるかどうかをチェックしてしまう。どういう世界?どういうこと?

 

 

誰もがチャンネルをもち、主人公になれる時代、それを見ているリスナーもすごいなと思う。