ingakouryuu’s blog

心象スケッチ

贈る言葉

 

寄せカゴは黄色いバラやオレンジのガーベラを中心にした。退職する大学生には手紙を書いて渡した。手紙には書きたくないこと、一度しか口にしない言葉は最後に贈った。嫌われること覚悟で。「産道をつくれ」と。

 

20代で産道をつくっておくと期間が空いてももう一人産みやすい。付き合っている人がいないなら定期的に開催されるサイクリングや原書講読の読書会への参加、ボランティア活動等、私の友人が相方と出会うきっかけになったイベントを紹介した。ボランティアは書棚の図書の整理、イベントの運営、介護とさまざまある。ピアノが弾ける友人は老人ホームで演奏をするボランティアをしていた。

 

もちろん誰かと出会い一緒に暮らすことが一番幸せとは思っていないことも伝えたが、ほんの少しでも興味があれば考えてみるのもいいかと思い、親が言わなさそうなことを言った。彼女は微笑みながら聞いてくれた。

 

最後に、この道しかないと思うとなんでもしんどく感じるものだから、苦しくなったら別の道も考えるようにと言っていると、なんだか相手も私も照れてきた。

 

生花はいい、少しでも長く美しさを楽しむために気遣い世話をする。驚くことに1月の誕生日に友人から贈られた切り花はまだきれいで元気だ。三日に一度は茎を切り、キープ•フラワーを入れた水を使う。寒いからかチューリップやカーネーションの命が長い。花を見るたびに贈ってくれた友人を思い出す。花束をプレゼントする人は気取っているとかではなく、思い出を大切にしたい人なのかもしれない。