ingakouryuu’s blog

心象スケッチ

対面の安心

 

医療費控除の申告をするために税務署に行く。平成25年までは毎年控除を受けるために税務署に行っていた。8年前の記憶のまま、まとめて保管していた5年以内の領収書を申告する。感染症対策もあるが、手続きの仕方が大きく変わっていた。

 

必要書類をまとめて持って行くと、今日は予約をすることしかできないと言われる。予約を受け付ける担当の人が来るまで、間隔を開けて置かれているパイプ椅子で待った。しばらくすると五十代後半くらいの男性が来て、間仕切りされた簡易の小部屋に案内される。まず領収書や交通費の内訳をまとめておく用紙を渡される。当日は30分以上の時間は使えないので、書類の不備がないようにと言われた。

 

当日、若い男性の係員が予約を確認すると、スマホを出すように言ってくる。私がガラケーしかないと言うとパソコンのある場所に案内された。私がブラインドタッチで手早く入力していると、横にいる係員が自宅のパソコンからでも申告できますよと言ってくる。どうやらこれからは自宅で申告するようにと教育されているようだった。

 

二十代中頃から医療費は年間平均で10万円以上、多い年は20万円を超える。この医療費を支払うために生きているような気がする時もあるが、やはり健康は何物にも代えがたい財産なのでしかたがない。税務署でもっと払っている人とかいますよねと聞くと、いますよと返ってくる。わたしにとってそれだけで心が落ち着く。そのやりとりがこれからはできなくなるのが寂しい。

 

 

 

しかし貯金に執着しないで「今」を大切にする生き方ができることはありがたいことだ。