ingakouryuu’s blog

心象スケッチ

2020-01-01から1年間の記事一覧

古い体質

他部署で起きた出来事になるが、会社の商品で月に一度三日間、破損品を百貨店で販売することがある。大変な人気のため予約は受け付けない。当日は開店と同時に殺到することを見越して販売員を増員して混雑を防ぎ、数量限定の売り切れ終了にしている。 袋の中…

長く働きたい職場⑤

裏事情を知ってか知らずか、上司は他の事業部はもっと時間を使わないで要領よくやっている、前の担当者はもっとうまくやっていたという。私が前の担当者と一緒に仕事をしていた時、毎日何人かはサビ残を当たり前のようにしていた。私も仕事の流れをつかむま…

財布

6年使用している財布のスナップボタンがゆるくなってきたのをきっかけに財布の買い替えを考えた。10年前から財布の中身は、触らない新札の千円10枚と五千円2枚とは別に使用する現金一万円位と小銭、持ち歩いているカードが7枚でよく使用するのは3枚。これま…

何でも好きなのとって

チョコ、チーズ、タルト、クレープ、ムース等いろんな種類のケーキが箱いっぱいに入っていた。出張のおみやげか差し入れだったか忘れたが、一気に女子社員のテンションは上がった。私はその時、新人だった。先輩が「新人が先に好きなのとっていいよ」と言う…

眩しい光景

2016年、お義母さんに肺がんが見つかる。冬に咳が続いて風邪にしては長引いていると思い、何気に帰省先の病院を受診する。レントゲンで肺がんの可能性を言われ、帰宅後、大きな病院での精密検査をした。今後の治療方法の説明日、彼は仕事で出席できないとい…

暑いけど楽しい!

まとまった休みが取れたので琵琶湖の中にあるという鳥居を見たいと思い、行ってみることにした。到着すると暑い中たくさんの参拝者がいた。 白髭神社 神社の向かい、道路を挟んだ向こう側に鳥居がある。あれが目的の鳥居でもっと近づいて見たかったのだが、…

メトロノームとリズム

等間隔に並んで運ばれてくる基板に電子部品を差し込んでいく 差し込みもれはすぐにアナウンスされる 「○○番、ICありません」 集中力のためか10分経つとブザーが鳴って1分の休憩 60分経つとラジオ体操が流れて5分間、体を動かす 部品にどんな働きがあるのかわ…

閲覧注意⁉

あるものに気づいてしまった もう普通には戻れないかもしれない まさか身近にこんなものがあったなんて これはまだ誰にも打ち明けていない どきどきする 18歳未満はここから先は進まないように ↓ ↓ ↓ 卑猥? 猛暑だから

はむべーこんうぃんなー

百貨店の受付でATMの場所を聞く。エレベーターガールのような独特の口調のせいか、二度聞いても何を言っているのか理解できなかった。笑顔で丁寧に応えようとしているが、場所の説明に慣れ過ぎているということもあってか、伝えたいという気持ちよりも先に言…

一人の自由

もしかしたらいじめられているのに気づいていなかったのか、これまでいじめといういじめにあうことなく生きてきた。 いじめられている子はどんな子なのか。クラスの中で誰にも調子を合わせないで一人でいる子はいたが、それがいじめや疎外ということになるの…

人との距離

結婚して十年、彼を名字で呼ぶ 家族がいる時は気をつけて名前で呼ぶ 距離感は簡単には縮まらない 生きるとは得体のしれない恐ろしいことだ 生きている理由 息を吸うことや心臓に血液を送ること それだけならまだ愛しい やはり私は「人」が怖くて仕方がない …

ほっとけない?調子に乗れない

コロナの影響がある中、棚ぼたの目標達成で昨年度分の報奨金と一万円分のギフトカタログ以外に決算賞与とボーナスが過去一もらえた。何に感謝したらいいのか。今は通販の成績だけが好調である。社会が安定していないと会社の定めた表彰制度の意味が変わって…

イワツバメ

結婚したのも遅かったので子どもがもてなかったとしても二人の間ではそれほど問題ではない。しかし気になることはあった。身軽な私と違い、彼の父方や母方の実家と関わっていく内に恐怖にも似た感覚を覚える。これまで観てきたどんなホラー映画よりも恐ろし…

熟成中

今週のお題「2020年上半期」 小学校低学年までが肉体への恐怖が一番強かった。自分の意志とは関係なく動き続ける心臓や息を止めると苦しくなることをどう受け入れたらいいのかわからなかった。何かに囚われているような感覚は、プラトンの肉体は「魂の牢獄」…

罪悪感

小学校高学年位から家事全般をこなしていくことが当たり前で、学校帰りに晩御飯の献立を考えては悩んでいた。そんなことを考えないでいられる他の子が少し羨ましく思ったこともあるが、辛いと思ったことはない。今は生きることの大変さを早くから知っておい…

我慢大会

明け方は涼しくても、ぐんぐん気温は上昇していく 彼は休みで、私は遅出出勤 遅く起きてリビングに行くと彼がいる 部屋は蒸しっとしていた 私が「エアコンつけたらいいよ」と言うと 彼は「窓を開けてるから平気」だと言う 風があるからこのままでもいいかな…

屋台のラーメン

夜9時頃、チャルメラが聞こえてくると兄がラーメンを欲しがる。兄が母を説き伏せてやっと手に入れたものを私はよく便乗していた。そのためパシリにはよく使われる。急いで軽トラの屋台を追いかける。全力で追いかけていると誰かに追われていると勘違いされて…

一日のルーティン(夜型)

21時出勤 6時退勤 食事をする 波の音を聴きながら読書 9時に帰る 足湯でリラックスしてから寝る 「蛍の光」が流れて17時前に起きる コインランドリー付き銭湯に行く 食事をする ゲーセンに行く 湾岸ミッドナイト、WACCA グルーヴコースター等をする 21時出勤…

いつまでもわからないこと

長い間、一人暮らしを楽しんでいた。なぜか一度も自分の人生に結婚という未来を考えたことはなかった。可愛いお嫁さんになると言ってたクラスメイトがたくさんいても、次々に結婚していく友人がいても、自分もいつかはなどとは考えたこともない。 彼とは大学…

子育てよりも難しいこと

働く動機が「中学生になる子どもが部活を始めたから」と言っていたから、すぐに辞めそうな気がしていた。この人は民生委員のボランティア活動をしていることもあって、人当たりもよくて職場内を和やかな雰囲気にしてくれるムードメーカーだ。 私は勝手に彼女…

保昌山のご利益

顔に強いコンプレックスがある友人がいた。今はどうかわからないが、当時は外見ばかり気にしていた。整った雅なきれいな面立ちなのに、彼女は松浦亜弥が理想で「あんな顔に生まれたかった」と度々言っていた。 大学生の時、彼女には同い年の恋人がいた。面倒…

野良猫⑧

近所に猫嫌いがいないのをいいことに、だからと言って堂々と餌やりを続けるのには気が引ける。見つかっても今だけ感を出すために餌皿は使い捨てられる何かの空き容器がいい。しかし使い捨ては強度が弱くてすぐに使い物にならなくなる。それが使い捨てという…

幼馴染と豪雨

年賀状で今年こそ会おうねと書くが、もう20年以上会っていない友人がいる。小学校からの旧友だ。誰かの紹介だったか、色白で小川範子のような清楚な感じの彼女を一目で気に入ると、それからは『ちびまる子ちゃん』のまるちゃんとたまちゃんみたいに行動を共…

やる気はどこから

週二回だけ倉庫整理や出荷作業を中心に入ってくれる学生バイトの母親が挨拶に来てくれた。「いつも娘がお世話になっております」と、そして仕事が好きで、なんと私が好きだとか。19才で働きに来てくれて、今はもう大学四回生。最初は仕事が楽しくなさそうで…

思い出すこと

自分を思い出す人が亡くなると同時に 自分の中の何かも亡くなるような喪失感をもつ もう触れ合うことが叶わないという喪失感 触れ合いは肉体を利用して 触れ合えた記憶を刻む だから思い出したい そして思い出すことがなくなった時 ようやく思い出と一つにな…

説明力

連勤で仕事のことばかり考えていたら毎度おなじみのボケが出始めていた。更衣室で着替えるつもりが、とにかく脱ぐことだけに集中してしまい、風呂にでも入るのかというところまで気づいたら脱いでいた。 理解が遅い人ほど理解すると後々凄い戦力になると思っ…

ブラックモンブラン

今週のお題「私の好きなアイス」 いろんな事があり過ぎて、昨年大分に遊びに行ったのが遠い過去のように思える。帰りに、とあるブログでブラックモンブランが紹介されていたのを思い出して、フェリーを待っている間に食べてみようと近くのコンビニで購入した…

実家の片づけ①

その日は40年以上母が暮らした団地の実家を片づけるために朝から気合が入っていた。実家に着くと先に来ていた兄と兄の友人Yさんが既に片づけを始めている。Yさんは中学からの兄の旧友で、当時の私は兄の友人に声を掛けられると緊張してしまい、びっくりして…

習慣

「これに何の意味があるのですか」と新人に指摘されて改めて考えると特に重要な意味はない。歴代の先輩たちが右に倣えで続けられてきただけのことだった。働いている人や時代も変わっていく中で、昔から続けられている習慣を見直すことなく延々と繰り返して…

かっこよすぎる

お義父さんはギターの腕を磨くために19才でスペインに渡り、最近まで現役で活躍していたプロギターリストである。サックス片手に単身で海外留学する『BLUE GIANT』の主人公みたいな人で、ギターだけで一家四人を支えていた。今は山の中腹に家を建てて、ガー…