ingakouryuu’s blog

心象スケッチ

はむべーこんうぃんなー

 

百貨店の受付でATMの場所を聞く。エレベーターガールのような独特の口調のせいか、二度聞いても何を言っているのか理解できなかった。笑顔で丁寧に応えようとしているが、場所の説明に慣れ過ぎているということもあってか、伝えたいという気持ちよりも先に言葉だけが滑り出してきているようだった。

 

私もベーカリーカフェで働いていた学生時代、同じようなことが起きていた。モーニングセットの卵料理の付け合わせをお客様に聞く。「ハム、ベーコン、ウインナーから1つお選びいただけます」という言葉を使い慣れ過ぎて、いつの間にか区切ることがなくなって「はむべーこんうぃんなー」と一塊の言葉で使っていた。

 

モーニングはほとんど馴染みのリピーターばかりで「いつもの」でオーダーは終了していた。しかしある日、初めてのお客様に「え⁉」という顔をされて気づけた。自分の言葉にイメージがついて行っていないことに。そのせいで相手にもイメージが伝わらなくて理解してもらえなかったのだ。そこでは来日したばかりの中国人留学生も何人か働いていたが、たどたどしい片言でもお客様と会話ができていた。

 

 

イメージとは心の中に現れる心象である。このイメージを伝えようとするから相手の言葉が理解できるのだ。つまり初めての相手には初めてのイメージをもって対応しないといけないということ、また初心を忘れないようにしたいと思った。