ingakouryuu’s blog

心象スケッチ

2019-01-01から1年間の記事一覧

眩しくて青臭い

今週のお題「部活」 高校ではバドミントン部に入っていた。 時々先輩と付き合っているOBが教えに来てくれる。そのOBが私のもろ好みのタイプでどきどきするのを先輩に気づかれないように隠し続けた。 私は卒業後も社会人サークルに入ってバドミントンをしてい…

秋風

まだ刈り取られていない稲が風に揺れる音がする。 からっとした涼しい風が気持ちいい。 心を満たしてくれるものは暖かさや涼しい風といった 五感の中の「触」なのかもしれない。 人間のために自然があるわけではないのに、 心を満たしてくれている。 その大…

早着替え

中学校に入ると女子はドライヤーで前髪を作ったりとおしゃれな子が目立ってくる。そんな中、体育ではまだ男女が一緒に教室で着替えていた。 全員がだらだらと着替えて体育の先生を運動場や体育館で長く待たせることが常習化しつつあったある日、先生がとうと…

シフト希望がきつい

派遣スタッフのシフト希望が多く、シフトが組みにくくなってきた。派遣会社に苦情を言っても、穴埋めにさらに人を追加するとしか言わない。僅か100時間程の派遣依頼で3人のスタッフに入ってもらっては、仕事の引継ぎも難しくなる上に未経験の人が送り込まれ…

歓迎会②

新人歓迎会は無事に終わる。ネット予約で静かな席を希望していたが、隣の席が外国からの旅行者の団体で、突然クラッカーを鳴らしたり、通路で着付けを始めたりとやりたい放題だったのが気になった。 料理は思っていたよりも品数があり美味しかった。しかもア…

侮るなかれ

運動会の練習で直角に曲がらないといけないところを近道で真っ直ぐいこうとしたら担任に腕を掴まれて、舌打ちのようなうなり声とともに強引に行進の列に戻されたことがあった。私は集中力がなくて、やりたいと思ったら後先考えないで行動するタイプだった。…

わくわく

今週のお題「理想の老後」 働ける仕事があるうちは仕事を続けて、 いよいよ働くのが難しくなってきたら、 ごみ拾いのボランティアでもなんでもして、 とにかく体を動かして人と関わっていきたい。 身の回りの物はできるだけ少なく、 必要最低限の生活ができ…

カンブリア紀

水族館で進化の大爆発、カンブリア紀を再現している水槽があった。 人間の成長でいえば鏡に映る姿が自分だと理解したあたりだろうか。 ヘレン・ケラーでいえば「水」を理解したあたりだろうか。 存在を認識する。つまり世界を認識する。 生命体とは呼吸をす…

晩ごはん

高学年になると母から毎日千円をもらって買い物に行き、夕食を作るようになる。 母は徐々に家事をしなくなった。 ランドセルを背負い夕食のおかずを考えながら帰宅する。これといって料理を教えてもらったこともないので何をしたらいいのかわからない。家に…

ギブミーチョコレート

友人の父親とそのお兄さんはパチンコが大好きだった。今はもっと最新になっていると思うが、当時のパチンコ台は一発ずつ手で弾いていた。二人がパチンコをする数時間の間、友人は駐車場で待たされる。暇つぶし相手として、週末になると時々友人が「おとんと…

須磨

昨日、満中陰志のカタログギフトで選んだ神戸ディナークルーズに行った。ディナーまで「須磨水族館」を楽しむ。 水族館の中に懐かしの綿あめ製造機があった 須磨は家族で海に来た唯一の思い出の地である。遠出をあまりしない母が駅員に乗り換えを確認してい…

白菜の味噌汁

我が家のおかずは常に一品だ。 お吸い物のように透き通った味噌汁のみの時は具材の味一つ一つがはっきりとわかった。私は具材よりも汁が好きで最後はご飯にかけて食べていた。 初めて友人宅の夕飯を見ることがあった。隣の団地で祖父母と一緒に住む友人はお…

今があること①

今週のお題「夏を振り返る」母の初盆のお線香をあげた後、兄から母が施設で作っていたというビーズアクセサリーをもらう。器用に上手に作られていた。母が手縫いで自分のエプロンを作っていたのを思い出す。編み物もしていた。料理よりも手芸が好きだったよ…

ありがとう

今日、兄のお嫁さんから快気内祝いの品が届いた。 8月上旬、子宮の腫瘍が大きくなってきたから摘出したと兄から連絡があり、仕事が終わってからすぐにお見舞いに行った。いつものほんわかした様子で兄嫁は私の相手をしてくれた。 手術は相当怖かったと思う。…

おんぶ

母は昔、自転車で怖い目にあったらしく、自転車は乗らない。家の近くにバス停も駅もない。生活圏は1時間くらい歩いて行けるところが中心だった。病気になると病院までの遠い道のりを徒歩で通う。 7歳の時だったか、体中が痛くて歩くこともできない病気になっ…

長く働きたい職場④

管轄エリアが異なる同期のメンバーの一人が月4回しか休めていない。遠方のため助けることができない。私ができることは、せいぜいストレスを発散させるためにメールとたまに電話で話をするくらいだ。同期は時間管理をまじめにするため、私と違って吊るし上げ…

歓迎会①

新人の歓迎会をすることにした。会社から年2回のコンパ代が出るので使わないともったいない。思い立ったらすぐに行動していい場合はすぐに行動する。 スタッフ全員が集まれる日を選び、海鮮、豚肉、卵が食べられないというスタッフたちの要望も考慮したビュ…

立膝

小学校低学年までは週に1、2回のペースで母と一緒に銭湯に通っていた。しかしいつの間にか母は一年に一度くらいしか風呂に入らなくなった。久々の銭湯に行くと何時間もかけて垢を落とす。銭湯に迷惑がかかっていないか心配するほど肌の色が白くなって帰って…

キャパオーバー

退勤後、考え事をしながら制服を着替えていると一度完全に私服に着替えた後、また制服に着替えている時がある。最近それが多い。 急用で走っていると目的地を素通りして全力で走ることが目的になっていることがある。 エレベーターに乗ってから行きたい場所…

真理の探究

今週のお題「わたしの自由研究」物事の真理を考えるのが好きだ。どんな真理かというと、例えば「私たちはなぜもう一度同じものを食べたくなるのか」と問いを立てる。私が出す答えは、家族や友人と一緒に食べたものをもう一度食べたくなるのは、それがおいし…

反面教師で学んだもの①

私の道徳は反面教師で培われた。母が万引きして警察のお世話になった時も私は淡々と生きていた。なぜかはわからないが自分をかわいそうだと思うことはなかった。しかし周囲の人たちが「えらいね」「苦労してるね」と言ってくることがあり、その度に意味がわ…

野良猫③

今日も元気に野良猫ちゃんたちがご飯を欲しがる。まだ生後一年と経っていない若い猫ちゃんたちだ。みんな仲良しでかわいい。ダンナはご飯をあげることを良く思っていなかったが『夜廻り猫』を読んでから、あまりうるさく言わなくなった。 夜廻り猫 1 今宵も…

子どもの存在の有難さ

子どもとは財産を守る存在でも愛し合ってできた結晶でもない。居心地の良い空間を実現させるための勇気をくれる存在である。この歳になって子どもの存在がどれほど貴重であるかを考えられるようになった。ここでいう子どもとは私の後に入社した後輩みたいな…

孤独よりも自由

今週のお題「残暑を乗り切る」お盆の繁忙期を乗り切り、末に予定していた連休を満喫している。フェリーでの宿泊は初めてでいい歳してわくわくする。行き先は友人の待つ大分である。大分に行くのも初めてだ。 電車を乗り継ぎ、フェリー乗り場行きのバス停まで…

小学校の時、日記にあこがれて何度か挑戦するが結局三日坊主で終わっていた。友人との交換日記も何度かしたことはあるが、お互いに書くことがすぐなくなり、しかしお互いやめたいとは切り出さないため最後は友人が毎回同じ絵を描いてくるようになると自然に…

キセル乗車

通勤ラッシュの改札口でキセルしている人を何度か見たことがある。前の人の後ろにぴったりとくっつき一緒に改札を通っていた。改札機が止めるよりも早く通り、そのまま人並みに紛れて見えなくなる。私も最近それをやられて嫌な気分になった。小柄だから狙わ…

長く働きたい職場③

昨年は同期のチームが人手不足でとうとう誰も休むことができなくなり、崩壊しかけたのをなんとかしたいと考えて労基に訴えたところ、上がやっと求人や派遣の手配をしてなんとか持ちこたえることができた。求人依頼をしても一年間無視されることもある。私は…

フタモンアシナガバチ

数日前からエアコンの室外機の辺りにけっこうな数の蜂がいるのを見たダンナが、室外機内に巣ができないようにネットをかけてくれた。しかしそれでも蜂が数匹うろうろしている。巣が作れなくなった蜂が早く諦めてどこかに行ってくれたらいいのにと思い、怖い…

集中

誰かのリズムに合わせて雑踏の中でぼんやり歩いていると、自分の意識が薄くなり、自分が歩いているのを忘れかける。知らない誰かになったような瞬間すらある。危ない危ないと気を引き締めて歩く。右、左、右、左と交互に足を出す。視界のブレが大きいからも…

風の又三郎

コの字型に建てられた団地の真ん中に公園がある。その公園で遊んでいると窓から子どもの様子を見ることができるため、母親が「お昼だよ~」と声も掛けやすい。クラスメイトとよく遊んだ公園だ。いつものようにクラスメイトと公園で待ち合わせすると、私は玄…