今があること①

今週のお題「夏を振り返る」母の初盆のお線香をあげた後、兄から母が施設で作っていたというビーズアクセサリーをもらう。器用に上手に作られていた。母が手縫いで自分のエプロンを作っていたのを思い出す。編み物もしていた。料理よりも手芸が好きだったようだ。

小学校の運動会で使うポンポンを各自家で作ってくるように宿題を出された時、母が櫛を使いこれ以上細くできないほど、さらっさらの綺麗なぽんぽんを作ってくれた。工作で各自割り当てられたカラー粘土を家で作ってくる宿題も、母が丁寧にこね上げて色むらの無い綺麗な粘土に仕上げてくれた。

母の意外な一面に感動することもあった。目がキラキラした少女漫画に出てくるような可愛い女の子がたくさん描かれたぬりえをクリスマスプレゼントにもらった時だった。ちなみにその時兄は宇宙戦艦ヤマトの大きなプラモデルをもらっていた。その価格の差にショックを受けたが、ぬりえは面白いということを母は教えてくれた。色鉛筆のいろんな持ち方、動かし方、多彩な色の使い方、指でこする等、母が手本で色を付けた木は本物のように力強かった。

その話を仏壇の前で兄と話すと、兄はまた私と違う母の意外な一面に感動していた。遊び盛りの子どもがいると一年で襖がぼろぼろになる。母が自分で襖の張り替えをしていたことを兄は立派だったという。

振り返り、今があることに感謝でいっぱいだ。