ingakouryuu’s blog

心象スケッチ

風の又三郎

コの字型に建てられた団地の真ん中に公園がある。その公園で遊んでいると窓から子どもの様子を見ることができるため、母親が「お昼だよ~」と声も掛けやすい。クラスメイトとよく遊んだ公園だ。いつものようにクラスメイトと公園で待ち合わせすると、私は玄関を使わないで、公園に面した2階の窓から飛び降りてクラスメイトをびっくりさせたことがある。

 

なぜそんなことをしたのか。おそらく誰にも真似されない自信があったからだ。下はコンクリートではなく短い雑草が生えている柔らかい土だったためケガは免れていた。しかし着地の衝撃は背骨まで響き、足だけでは踏ん張ることができず、必ず尻もちをついていた。得意げに何度も飛び降りて見せていたが、今思えばよくあんなことができたなと、私に風の又三郎が乗り移ったのか、友人が真似をしていたら大けがをさせているところだった。