ingakouryuu’s blog

心象スケッチ

侮るなかれ

運動会の練習で直角に曲がらないといけないところを近道で真っ直ぐいこうとしたら担任に腕を掴まれて、舌打ちのようなうなり声とともに強引に行進の列に戻されたことがあった。私は集中力がなくて、やりたいと思ったら後先考えないで行動するタイプだった。お調子者で団体行動が苦手でけっこうやっかいだったと思う。

 

しかしぞんざいに扱われたことは記憶に残るものだ。

 

写実的な絵が得意で、私の絵が学校の玄関に飾られることもあった。美術の時間にモチーフになる古い紐靴を忘れた時、クラスの運動神経抜群のスポーツマドンナが片方の靴を貸してくれた。私は「靴ひもの先端からスタートして描く」と周囲に断言してから書き始めて、実際本物そっくりに描き上げると、傍で見ていた担任が「天は二物を与えず」と小声で独り言を呟いた。私は「天は荷物を与えず」と聞こえていた。

 

何気ない一言でも、その時意味がわからなかったとしても、声のトーンからいつまでも心に引っかかることがある。

 

 

子どもを恐れる必要はないが、子どもの自尊心にもっと気を配ってほしい。