ingakouryuu’s blog

心象スケッチ

おんぶ

母は昔、自転車で怖い目にあったらしく、自転車は乗らない。家の近くにバス停も駅もない。生活圏は1時間くらい歩いて行けるところが中心だった。病気になると病院までの遠い道のりを徒歩で通う。

 

7歳の時だったか、体中が痛くて歩くこともできない病気になった。母が片道1時間近くかかる病院まで私を背負って往復した。途中で何度か私をどこかに降ろしては身体を休めてまた背負いなおす。

 

アルプスの少女ハイジ』でペーターがクララを長時間背負子なしで背負い、最後は腕や肩に力が入らなくなり苦しんだように、母もふらふらになっていた。母を疲れさせているのが辛くて辛くて、背中に背負われながらずっと謝り続けていた。母は身長が150cmもない小柄ではあったが力の強い人だった。