教わったもの
思い返せば、私は母から何を教わったのだろう
口下手で無口な母は説教をしない
教わったというよりも
空気のような掴むことができないものに
全身全霊で合わせること
我慢のようなものを学んでいた気がする
母は我慢ばかりしている人だったから
亡くなってからしか考えなかったことがある
その中に生きているうちに考えてもよかったことはあった
しかし私は、私と同じように少し後悔している人の
話を聞くような習慣を持ち合わせていなかった
会うことができなくなった人が残したものでしか感じ取れないことはある
それが大きくて、あまりにも大きくて
おせっかいにも生きているうちに考えたほうがいいと伝えたくなる