ingakouryuu’s blog

心象スケッチ

プラマイゼロ

幼い頃は母親がいなくなったらどうしようとか考えるよりも見たこともない地獄に落ちる恐怖のほうが現実的な気がしていた。里子に行かされそうになった時から芽生えていた感情か、何かに身を委ねることへの抵抗みたいなものもあったと思う。

 

ある落語家がテレビで子どもの頃に自分を置いて出て行った親に「育ててくれなくてありがとう」と言えるまで長い年月がかかったという話をしていた。

 

私は二十歳頃からどんな人生を送るにしても結局はプラスマイナスゼロなんだと思うようになっていた。おそらく懸命に仕事をして生きる難しさを知っていく中で学習したのだろう。