ingakouryuu’s blog

心象スケッチ

歯科技術とデンタルIQ①

高校生になると小学校の時から通っていた歯科医院ではなく、最近できた新しい病院に変える。母に連れられて通っていた病院は怖い思い出しかなく、ずっと他に良い病院があれば変えたいと思っていた。

 

新しい所は噂に聞いていた通り先生が気さくで話しやすく、阪神大震災後、余震が続く中、診察台を足でガタガタと揺らして驚かす茶目っ気もあった。病院は窓が多くて明るく、壁にはルノワールのピアノを弾く少女たちの絵が掛けられている。待合室には最新のジャンプもあり、待ち時間も長く感じなかった。

 

20代半ばに治療後の歯の根元に膿が溜まり腫れたので治療に行くと、溜まった膿を出すために腫れた部分を注射器の針で突いて、その日は治療が終了する。簡単に終わって良かったと喜んでいたが、針で突いた部分の傷が治るとまた膿が溜まり前と同じような状態になった。気になって他の病院に電話で相談すると市民病院の中の口腔外科に行くことをすすめられる。それから一度もこの歯科医院に行くことはなくなった。兄も通っていたため、いずれ兄も同じような状態になるのではないかと心配した。私が医療ミスにあったことを知っても、兄はその後10年は病院を変えることはなかった。兄は私が嫌な思いをしたことを歯科医師に話すと、先生は私に謝りたいという。いろんな病院を転々とする中、先生への恨みというよりも日本の技術や自分のデンタルIQの低さが問題だと思うようになっていた。