ingakouryuu’s blog

心象スケッチ

安心感

交差点の角にあるブロックの植え込みに座って、歩いている人や走っている人をぼんやりと眺めている人がいる。緩やかな時の流れの中で生きているようだ。

 

いつも同じ時間に大声でぶつぶつ言いながら歩いている人がいる。聞こえてくるのは怒りの声か、誰かを罵っているようだ。他の目撃者情報から、この人は二つ向こうの駅から毎日同じコースを歩いているという。見るといつも元気だなと思う。見かけない日は風邪でも引いたのかと気になったりもする。そう思っていたら後ろから突然現れる時もあり、びっくりする。

 

もうずっと昔に読んだ本だが、自分のリズムで外界と接触する『楡家の人々』のビリケンさんを思い出す。なんてことのないキャラクターではあるが、いつまでも頭に残っている。こういう人たちの居場所があることは安心感が湧く。