セクハラ

ビルメンテナンスの会社で働いていた時、外回りの仕事に課長と一緒に行くことがあった。課長には同い年の娘さんがいるとかで、私に父がいたら課長みたいな感じなのかなと勝手に思っていた。

ある日、課長といつものように外回りの仕事をして帰宅するが、車が会社のほうに向かうことなく人気のない路地裏で止められる。どうしたのか課長に聞く間もなく突然キスをされそうになり、全力で阻止する。課長は拒絶されたことに憮然としてその後ひと言も話さない。会社に着くと何事もなかったように社長に業務報告をしていた。

私は学校に行くとショックだった出来事を友人に話すと「そいつのコーヒーは雑巾の絞り汁で入れろ」と本気で怒ってくれた。とりあえず、これからも課長と外回りに行くことがあるだろうから、一緒に行かなくてもいいようにしてもらおうと専務に相談することにした。

相談した翌日、会社中の人が知ることとなり、課長は課長ではなくなっていた。私は居づらくなり結局辞めてしまう。ここでは失敗ばかりしてあまり役に立てないばかりか会社の空気まで悪くしてしまい申し訳ない気持ちのほうが大きかった。