ingakouryuu’s blog

心象スケッチ

なぜか謝ってくる

 

最近では、親の介護に集中するために早期退職をした元上司が、職場に顔を見せに来てくれて、一緒に働いていた時はすまなかったと言う。何に謝られているのかわからないが、確かにこの人と働いていると、休みの日も電話があって四六時中仕事のことを考えさせられてしんどかった。しかしそれは今もあまり変わらないことを考えると、大して辛いことではなかったように思える。ただ、今は私が古株でやめてほしいことをほとんどの人にはっきりと言えるようになったから気は楽だ。

 

私が一人暮らしを始めて間もなく、幼馴染が彼と同棲するから部屋を借りるための連帯保証人になってほしいと部屋に来た。一緒に暮らす予定の彼を連れて。幼馴染とはいえ信用できないものは信用できないので、それを断ると、私にとっては取るに足らない子どもの頃の出来事をいろいろと引っ張り出しては謝罪し始める。例えば、家に遊びに来た私を度々玄関前で何時間も待たせたこととか。先に遊ぶ約束をしていても家族とファミレスに行くとか、家族と買い物にいくとかで突然キャンセルしたこととか。彼女にとって私が一番でないのは百も承知なのだから、気にもしていないことを謝ってくる。

 

最後は二人で頭を下げてのお願いに困惑するも、しっかり断った。

なんだか忘れられない記憶に残る思い出だ。

 

 

私は誰かに謝ることなんて…ない。

感謝することはあるけど。

 

 

 

はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」