ingakouryuu’s blog

心象スケッチ

まだ油断できない

 

私は人の心が読める。この能力がバレるとどんなことに利用されるか考えただけでも恐ろしい。取るに足らない存在として決して目立たないように慎重に生きていきたいと思う。しかし私には致命的な欠点がある。空気を読まないでうっかりしゃしゃり出てしまうところだ。人の心が読めても、それで自分がどうしたらいいのかがわからない。残念なことにせっかく人の心が読めても有効に活用できていないのだ。こんな私を不快に思う人は多い。こっぴどくやられて追い出されるならまだいいほうだ。酷い時には再起不能なまでに痛めつけられる。そう、ごくまれによく出てきてくれたと歓迎してくれる人もいるが、あれはあれで困惑する。なにせ体に染みついた日陰者の習性が明るいところを好まないのでね。ま、とりあえずはこの状況判断の鈍さのせいで特殊能力はバレにくい。また、私はごきぶりと呼ばれていて嫌われているから。