野良猫⑨
黒ハチワレと薄茶とらはいつも一緒で仲が良い。
あとから来た白い部分が多い白ハチワレは一匹狼。
体が大きくて力が強いからか、今では一番前でアピールしてくる。
私が白ハチワレを先に見ていると、
前からいる猫たちが遠慮するのか一番に姿を見せなくなった。
いなくなったのかと周囲を探すと車の下にいたりする。
声をかけると、また積極的に来てくれるようになった。
猫たちは人間の視線に敏感。
この三匹以外に濃茶とらがいるが、
この猫は時々塀の上で寝そべって私を見かけると挨拶をしてくれる。
餌は食べようとはしない。
人懐っこい猫だから半野良でどこかで飼われているようだ。
ツンデレの大人しい黒ハチワレ。
まん丸お目目の白ハチワレ。
マンションの入り口の段差に前足だけ乗せて尻尾を立てている。
餌待ちポーズが「だっちゅ~の」に見える色っぽい薄茶とらの目。
写真を見ながらだと写実的になってしまい、
可愛さよりも生々しさが強調されてしまう。
何も見ないで思い出しながら描くと、
やっとイメージしていたものに近くなった。
薄茶とらは警戒心が特に強い。
黒ハチワレの媒介能力を頼りに生きているような気がする。
今日も二匹が体を寄り添わせながらこちらに来る。