野良猫⑤

今年は野良猫には過ごしやすい暖冬。毎晩、ハチワレ、薄茶とら、濃茶とらの三匹を見ている。もう一匹いたまんまるの大きな目をした濃茶とらの猫はずっと前から姿を見ていない。どこかで元気にしていればいいが。最近は二日間見かけなかったハチワレが三日目に姿を現してほっとしている。毎日数秒見るだけなのにこの愛着ぶり、猫たちに何か救われているのか。

濃茶とらが向かいの家の使わなくなった犬小屋から出て来るのを何度か見かけた。雨風をしのぐ場所をちゃんと見つけていてかしこい。向かいの家にはよく吠える大きな黒い犬がいたが、昨年の鈴虫の鳴く頃だったか、いつの間にかいなくなっていた。カリカリ、カシュカシュ、ガシャンガシャンと物音をよくさせていたから、今は夜が静かなものに感じてしまう。

近所に猫嫌いはいないようだ。猫たちは丸々と太っている。可愛い。