会話力
基本大綱が近づいてきているのでいよいよヘアサロンに行く。一年もほったらかしにしていた髪は、段階を経て最後はお決まりのお団子頭に落ち着いている。母と同じ髪質で、毛量は多く硬め。ちらほら出てきた白髪も気になる。さて今回はどんな注文をしよう。
「今日はどうされますか?」
「カットとパーマとカラーで」
「ではカラーと一緒にできるパーマ液にしますね」
「いつも思うんだけど、パーマ液の匂いが苦手で後で頭が痛くなるのよね~」
「では匂いを抑えるトリートメントを追加しましょうか?」
「お願いします」
嫌だと思うものを先に言っておけば、何かしらの新しい方法を紹介してくれる。
美容室は日々進化している。
「どれくらいカットされますか?」
セットに時間がかからなくて、なんとでもアレンジできる髪型で、一年間放置できるものとは言いにくいので、仕上がりはヘアカタログを見せてもらい具体的なイメージをしっかり説明する。
「カラーはどうされますか。今は白髪染めよりもキレイに白髪を見せていくオシャレ染めもおすすめです」
「じゃあそれにします」
「カラー液は前回と同じようにコラーゲンを入れましょうか」
「お願いします」
年一行事は贅沢にいきたい。
カットした量を見てほしいのだろうか。
「見てください、一度で掃ききれないです!」
毎年恒例のやりとりだ。
「え?こんなに!?」
定番の驚きを私も見せる。
一日で一気に終わらせるため、できるだけ頭皮に負担をかけないように前日は頭を洗わないようにしている。しかしパーマ液はなんともなかったが、カラー液がぴりぴりした。今回はぴりぴりした部分がフェイスラインのごく一部だったことから前日の洗髪に関係ない気がする。次回からは洗顔にも気をつけたい。毎回清算したレシートの裏に感想を書き、メンバーズカードと一緒に保管して翌年の参考にしている。
それにしても美容師さんは技術だけでなく、いろんな年代の人に合わせて対応できる会話力もあり、すばらしい。会話力のベースは思いやりの気持ちだから、教えてもらってできることではない。思いやりとは自分が嫌われることになっても相手を大切にする気持ちだろうか。相手はそれに気づいて忌憚なく意見を言ってくれる人を信用するのかもしれない。
来年はヘッドスパを試してみたい。隣でやってもらっている人が気持ちよさそうだったから。