ingakouryuu’s blog

心象スケッチ

教室

教室ではただぼけーと座っているか、好きな絵をひたすら描いていた。授業中は水のりを固めて遊んだりしてる。宿題はしない。忘れ物はよくする。遅刻はしょっちゅうだ。女の子で廊下に机を出されて勉強させられたり、拳骨で頭を殴られたり、ケツバットされていたのは私くらいだろうか。勉強は面白くない。音楽やスポーツは勉強よりは好きぐらいだった。

 

 

休み時間、誰かに声をかけることはない。他の子はなぜ楽しそうに会話ができるのかと眺めていると同じように座っている子が一人いた。養護学級の子だった。私にとって彼女は他の子となんら変わりのない普通の子に見える。話すこともあるがいたって普通、誤魔化しのないまっすぐな感じの子だった。しかし、養護学級の子は特別感がすごくて近づきにくいのか話しかける子は少ない。授業中、後部座席の端で、他の生徒の邪魔にならないように小声で先生とやりとりをする。彼女だけがマンツーマンで教えてくれる特別な先生がいて、その先生が優しそうで少し羨ましかった。

 

 

いじめはなかったと思うが、見ようとしていないところではあったかもしれない。相手や自分が可哀そうで寂しそうだから誰かに声をかけることはなかった。相手は誰でもよかった。自分が話したいから話す。男女関係なく関わっていたように思う。私は自分にしか興味がなかった。何重もの観念に縛られる前の人との関わり方はどうだったのか。私たちは理解するもしないも既に世界に放り出されている。