モテ期

昨日、たまたま付いていたテレビで『あさイチ』がやっていて、家を出るまで用事をしながら見ていた。華大の間に細身で姿勢がやや前かがみの、ぼさぼさの髪の男性ゲストがいた。誰かわからないが有名なアーティストのようだった。華大とのトークは緊張している様子だったが、その後『ロマンス』という歌を歌い出した時のギャップに驚く。

まず凄い目力、結構な年齢(壮年くらい)に見えるが、全力を出し切ろうとする弾けるような動き、歌も上手くてぼさぼさの髪もかっこよく見えてくる。仕事が終わって帰宅した後、相方に何気なく聞いてみるとエレファントカシマシの宮本浩次を知らないのかと言われる。知らないけど、この人モテるだろうなと思った。

そこで、よくわからないが「モテ期」について考えてみた。やるべきことで頭がいっぱいになって心身ともに余裕がない状態の時に限って「モテ期」はくる。何かを始めたばかりの必死な時、何かに夢中で他のことが考えられない、いっぱいいっぱいの時がなぜ魅力的に見えるのか。

何日も食料にありつけていない飢えた獣を手なずけるチャンスだとばかりに近づいてくる人がいる。もし獣に少しでもゆとりがあれば、近づく人をけん制する以外の方法をとるかもしれない。それがその後、どんな結果をもたらすかはさておき、余裕がない時こそ余裕をつくれるならば、その時が「モテ期」となる。

むき出しの一生懸命な姿、ギリギリの状態に惹かれるのであって、余裕ができてからでは、辺りを見回しても誰もいない。そうなると今度はこちらが近づいて行く側となる。近づきたいかどうかは別として。