中立

善悪の判断を周囲に委ねている子どもは残酷なことも残酷だとわからない。しかし当たり障りのない中立という立場の冗談も言わない真面目な子が男女一人くらいはいる。そういう子は独りでいることもあり、からかいの対象とされる確率も高い。

私はどうだったのか、からかわれていてもおかしくない条件が揃っていたはずである。おそらくガチの貧乏人過ぎてからかいの対象にもされなかったのだろう。というか怖がらせていたかもしれない。

体育での着替えの時、セーターを脱いだ私のブラウスにぱっくりと大きな穴が開いていて、そこから肘が丸見えだったのを見つけたクラスメイトの一人が、悲鳴みたいな声を出して私を見たので、お化けでも出たのかとびっくりした。

小学生よりも中学生、高校生になるにつれて中立の立場をとる子が増えていく。かなり少数ではあったが、おそらく中立の立場でいられる精神力がついてきていたからだと思われる。