閃き
この世界を理解できるのは
過去の記憶の蓄積のおかげ
相即に埋もれていた転機という閃きは
生と死の狭間で動いている時にやってくる
あっと思いつくことがある
そうだったのかと
それを後でじっくり考えようと
メモを取ろうとするが
手を放すことができない状態
右を見て左を見ようとしている間に消えていく
習慣に埋没していく
打ち上げ花火のような一瞬の閃きが
なぜいつもメモが取れないような時にやってくるのか
あの閃きをもう一度思い起こそうと
あの時の状態を再現しようとするが
その状態が複雑すぎて不可能に近い
外からの刺激に記憶を刻んでいるなら
私は再びくるかもしれない
あの複雑な状態がもう一度つくられることを
期待するしかない