ingakouryuu’s blog

心象スケッチ

もう一度食べたい

 母が作る手料理で一番好きだったのが、ホルモン。味付けホルモンを大量の白菜と一緒に煮込むだけの料理でよく作ってくれた。ホルモンも白菜もおいしい。台所から独特の匂いが漂ってくると「ホルモンだ!」と言って喜んだ。出来上がったホルモンはプラスチック製の子ども用の大きな皿に盛られる。皿の縁は広くて持ちやすく、適度な深さがあるのでカレー用にも使われた。皿の中央には子熊と黄色い蝶が描かれてある。今で言うとリラックマの皿みたいなものか。熊はもう少しリアルに描かれていたが。

 

 味付けホルモンが入っていた袋にジンギスカンと書いてあったので、今なら羊の肉だとわかるが、当時は何の肉かなんて興味がなかった。あのホルモンをもう一度食べたいと思っていたところ、北海道物産展で試食して美味しかったからといい、ダンナがかなりいい羊のラム肉を買ってきた。さっそく焼いてもらうと、あの独特の匂いがしてきてわくわくした。しかし、食べるとあの肉の味ではなかった。もしこれが初めて食べるジンギスカンなら二度と食べたくないと思うくらい臭みが強い。ダンナも試食した時にはなかった臭みがあると言い残念がっている。母が買っていたジンギスカンはスーパーで簡単に手に入っていたからそんなに高級なものではない。ホルモンと言っていたから羊のホルモンだったのか。とりあえず近くにジンギスカンの店ができたので今度食べに行ってみよう。