ingakouryuu’s blog

心象スケッチ

ソースライス

小学校に入ると自分の机があり、そこで勉強したりご飯を食べる。教室には30人くらいの生徒がいる。さっきまで勉強していた机で食事をするのに違和感があった。しかしその違和感を説明する力はない。自分の置かれている状況に混乱して、息苦しさに襲われ、それをやり過ごすために一点をぼんやりと眺めることが度々あったが、高学年に入ると徐々になくなっていった。

 

 

給食のおいしさには衝撃を受けていた。カレーシチュー、クリームシチュー、麻婆豆腐、肉そぼろ、焼きそばと家では食べたことがない複雑な味の料理だった。家でも市販のカレールウで作ることもあったが、母が作るカレーは大きな鍋いっぱいに水を入れて、ルウを少ししか使わないため、色も味も薄くてとろみもなく、しゃぶしゃぶだった。具は人参、芋、豚肉。匂いだけはカレーだが、食べると水っぽくてそれを補うためにソースをかけて食べる。ソースライスである。母は字が読めないので、カレーの箱に書いてある作り方が分からないから我が家のカレーは水っぽかったんだと学習が進むにつれ理解していった。